最終更新日 2022年12月16日
ご相談
Xさん(60代、男性、無職)は、妻を助手席に乗せて自動車を運転中、赤信号で停止していたところ、Y(60代、男性、会社員)が運転する対向車に時速60キロで正面衝突されるという交通事故に遭いました。
幸いXさん夫婦とも一命をとりとめたものの、頸椎捻挫、ろっ骨骨折等のけがにより通院治療することになり、症状固定後も、Xさんは寝返りが打てないほど痛みが残り、妻も、左腕を上げるとしびれが出る状態でした。
ところが、その後にYの保険会社から提示された示談案は、後遺障害非該当を前提に、低額の賠償を内容とするものでしたので、Xさん夫妻は、納得がいかず、懇意にしている保険代理店のご紹介で当事務所を訪れました。
当事務所の活動
当事務所は、保険会社から受け取った書類を精査した結果、Xさん夫婦とも後遺障害14級又は12級の認定を受けることができると判断し、主治医に後遺障害診断書を作成してもらい、これを添付して自賠責保険について被害者請求を行いました。
ところが、Xさんの妻については、14級の後遺障害が認定されたものの、Xさん自身については、後遺障害非該当という意外な結論となりました。
当事務所は、同じ事故で、同様の治療経過をたどったご夫婦が結論を異にするのはおかしいと考え、判断が分かれた原因を精査しました。
すると、Xさんを診察した医師数名のうち2名が、診断書において患部の左右を取り違えており、症状が一貫していないと判断された可能性があることが判明しました。
そこで、当事務所は、左右の取り違いをしたと思われる医師に確認を取ったところ、取り違いを認めたため、当事務所は、医師のコメントを付けて、自賠責の等級認定について異議を申し立てたところ、ようやくXさん自身についても、14級の後遺障害が認定されました。
活動の結果
その結果、Xさん夫妻は、賠償額を当初提示額の約1.5倍に増やすことができました。
Xさん夫妻は、健康は完全には戻りませんが、事故相応の賠償を受けることができ、ほっとしている様子でした。
解決のポイント
当初、後遺障害非該当とされ、示談提示額が安くても、後遺障害の認定を受ける余地があります。
ただ、後遺障害の認定を受けるには、自賠責の調査事務所を動かすポイントがあります。
当事務所は、そうしたポイントを踏まえ、主治医に後遺障害診断書を作成してもらうとともに、既存資料を丹念に読み解き、Xさん夫妻とも、後遺障害認定を獲得することができました。